男、子供は豆ご飯が嫌い?

コロナウィルスの影響でランチのお客様が減っているので、他店舗にならって日替わりでお惣菜のテイクアウトをしている。

先週、豆ご飯をランチにお出しした日は、テイクアウト用に200グラムのパック詰めをご用意してみた。そうしたら、早々に豆ご飯は売り切れてしまった。

「夫も子供も豆ご飯を食べてくれないから、家では作らない。」と言って、ほかのお惣菜に追加して1パック買って下さったり、「うちの人は白ごはんが好きなので豆ご飯を炊かない。」というシニアの女性などが自分用にお持ち帰りになった。

わが家も夫は豆ご飯はあまり好きではない様子が食べっぷりっでわかるし、息子も嫌いだった。息子に嫌いな理由を聞いてみると、豆の匂いが嫌だいう。豆に匂いがあった? そう思って、炊き立ての豆ご飯の匂いを嗅いでみると、確かに青臭い。

次回は、豆を塩茹でにし、炊きあがったばかりのご飯に入れてしばらく蒸らすというやり方に変えてみた。「これなら食べられる!」と言って息子は食べてくれた。その時は、してやったりと思ったが、それから10年以上たってふと、あの時は息子が自分のために一手間かけた母親に気を使って食べたのではないだろうか…と、思うようになった。きっとそうだと、思う。

お料理の勉強をするようになって「翡翠ご飯」という美しい言葉を知った。鞘から出したばかりのえんどう豆を塩ゆでにして、炊きあがったばかりのご飯に混ぜて蒸らすと、鮮やかな真緑色の豆ご飯に仕上がる。まるで、翡翠を散りばめたように! 

豆ご飯をこの方法で炊くようになってから、炊飯器の蓋をあけるたびに日本人の季節に対する感性に感心させられる。