答えは、やはりここにあった!

せっかちで早呑み込みな性分なので、勘違いや思い込みも多いと自覚している。が、それにしても、ここまで思い込みが激しいとは、我ながらショックを隠せない。

前回アップしたブログの、わたしはどこへ、行くのだろう は、書くときから答えを用意していた。娘に、私の棺桶に入れてくれるように頼んである一冊の本に、その答えはあると思っていた。

星野道夫著 旅をする木 が、それだ。ブログを更新したいので読み返そうと本を探したが、わが家には見当たらない。夫が廃品回収に出したかも知れないと思って諦めて、図書館で探してもらった
が、地元の図書館には無くて他の図書館から取り寄せて貰わないと借りられないという。時間と手間がかかるので、ネットで古本を探す方が早いだろうと思い、辞退した。

長女にラインしてみたら、何と彼女の家にあった。それでやっと、読み返す事が出来たのだが、あれっと思った。私は随分、本文と異って
大事な個所を覚えていることに気が付いたのだ。

アラスカの森の川沿いで育ったトウヒの木が川の侵食により、倒木となってユーコン川を旅し、ベーリング海へと運ばれていく。流木となり遂には遠い北のツンドラに打ち上げられて、南に移動する鳥達の休憩場所となる。やがて拾われて焚火になって人を温めたあと、気体になって上空に上がる。そして、雨となって海に落ち、旅を続ける。これが、私の思い込みの 旅をする木 の結末なのだ。

本文では、ツンドラに打ち上げられたトウヒはキツネがテリトリーの匂いを付ける場所となり、エスキモーの家の薪ストーブの中で終わるとなっている。
そして、つぎのような簡潔な文章で締められている。

ー燃え尽きた大気の中から、生まれ変わったトウヒの新たな旅も始まってゆく。ー

ツンドラに打ち上げられたあとは、私の思い込みでイメージを膨らませていた事を知ったのだった。何回も読み返し、人にも話したりしたにも拘らず…

簡潔に終わっているからこそ、読者がその後の物語を自分のイメージで膨らませることが出来るのかも知れない。

私の 旅をする木 は7つの海を旅し続ける。夏には上昇気流となり、しばらくは空の旅、そしてまた、雨となって今度はどこかの山に降って木を育てる。

答えは、思い込みから生まれて、ここにあった。